サブリース契約とは

例えば・・・

例えば、不動産を所有しているとする。
すると、ある日突然、サブリース業者(または不動産会社)からこんな提案が来ることがある。
「アパート経営しませんか?」
最初は軽い営業トークのように聞こえるけれど、話を聞いていくと、
だんだん“夢のようなプラン”が提示されていく。
借金をしてアパートを建てる

まずは土地の上にアパートを建てるところから始まる。
建築費は数千万円から億単位になることもある。
もちろん、ほとんどは借入金だ。
サブリース会社はこう言う。
「大丈夫です。家賃収入で返済できますから」
アパートはサブリース会社が一括で借り上げる

建物が完成すると、サブリース会社がアパート全体を一括で借り上げる。
いわゆるサブリース契約 だ。
そして、こう説明される。
- 空室募集はこちらでやります
- 家賃管理も全部お任せください
- 入居者対応も不要です
- 毎月、一定の家賃をお支払いします
つまり、オーナーは何もしなくても家賃が入ってくるという仕組みだ。
「返済計画も立てやすいですよ」と背中を押される

毎月の家賃が固定されているように見えるので、
ローン返済の計画も立てやすい。
「空室リスクもありませんし、安定した収入が得られます」
こう言われると、確かに魅力的に聞こえる。
気をつけたいところ

■家賃は“保証”ではなく“見直しあり
サブリース会社は「30年家賃保証」と宣伝することが多いけれど、
実際には 家賃は定期的に見直される のが普通。
築年数が経てば家賃は下がるし、周辺の相場が下がれば当然見直しが入る。
よくある事例(一般論)
- 契約から3年後に「家賃を2万円下げさせてください」と通知が来る
- 拒否すると「契約を解除します」と言われ、結局応じざるを得ない
- ローン返済額は変わらないのに、家賃だけ下がって赤字になる
「保証」という言葉に安心してしまうけれど、
実際には“保証ではない”というのがポイント。
■サブリース会社も契約を解除できる
オーナー側だけでなく、サブリース会社も契約を解除できる。
これは意外と知られていない。
採算が合わなくなったり、空室が増えたりすると、
サブリース会社が「契約を見直したい」「解除したい」と言ってくることがある。
よくある事例(一般論)
- 「このままでは赤字なので、契約を終了します」と通知が来る
- アパートは残り、ローンも残るが、保証はなくなる
- 結局、自主管理に切り替えるが、入居者が集まらず返済が苦しくなる
サブリース会社は“絶対に守ってくれる存在”ではないということ。
■オーナーには借金だけが残る可能性
サブリース契約が終了しても、
建築費の借金はオーナーに残る。
アパート経営は長期戦なので、
家賃が下がったり、契約が切れたりすると返済が厳しくなる。
よくある事例(一般論)
- 家賃が下がり、ローン返済額を下回る
- 毎月数万円の持ち出しが続く
- 最終的に物件を売却してもローンが残る
「家賃で返済できますよ」という営業トークは、
“条件が良いときだけ”ということが多い。
サブリースに関して法律で決められた主なルール

■誤解を招く広告の禁止
サブリース会社は、
- 「30年家賃保証」
- 「空室リスクゼロ」
- 「絶対に安心」
こうした表現を使うとき、
実態と違う内容を伝えるのは禁止になった。
つまり、
「30年間同じ家賃が続く」と誤解させる広告はアウト。
これは景品表示法の「優良誤認」「有利誤認」に該当する可能性がある。
■契約前に重要事項を説明する義務
2020年の法改正(賃貸住宅管理業法)で、
サブリース会社にも 契約前の説明義務 が課された。
説明しなければならない内容は、例えばこんなもの。
- 家賃は見直しがあること
- サブリース会社も契約を解除できること
- 更新時に条件が変わる可能性
- オーナー側の負担(修繕など)
以前は説明義務がなかったから、
営業トークと契約書のギャップが大きかった。
■ 不当な勧誘の禁止
強引な営業や、誤解させる説明は禁止。
例えば、
- 「絶対に損しません」
- 「家賃は下がりません」
- 「ローンは家賃で必ず返せます」
こうした断定的な説明はNG。
オーナーが誤解するような勧誘は法律で禁止された。
■ サブリース業者の登録制度
サブリース事業者は宅建業免許は不要だけど、
国への登録が必要になった。
登録することで、
- ルールを守らない業者は指導・処分の対象
- 行政が監督できるようになった
という仕組みになっている。
まとめ

サブリースは決して悪い仕組みではないけれど、
「保証」という言葉に安心してしまうと、後で苦労することがある。
大事なのは、
契約書の内容をしっかり理解すること。
そして、
“保証=絶対安心”ではない と知っておくこと。
不動産は金額が大きいからこそ、
一つひとつの条文が将来の生活に影響してくる。


