介護保険で“できる”住宅改修(対象になる工事)

介護保険で住宅改修ができるのは、どんな介護認定なのか

介護保険の住宅改修は便利な制度ですが、誰でも使えるわけではありません。
まず最初に押さえておきたいのは、
「どの介護認定なら住宅改修が使えるのか」
というポイントです。
結論から言うと、住宅改修が使えるのは次の認定です。
- 要支援1・2
- 要介護1〜5
つまり、要支援でも要介護でも、認定さえ受けていれば住宅改修は利用できるということです。
対象となる工事
■ 手すりの取り付け

玄関、廊下、トイレ、浴室など。
転倒予防のための工事は最優先で認められます。
■ 段差の解消

- 玄関の上がり框
- 浴室の出入り口
- 和室の敷居
- 庭と室内の段差
こうした“つまずきポイント”をなくす工事です。
■ 滑りにくい床材への変更

浴室の床を滑りにくい素材に変えるなど。
転倒リスクを下げるための工事です。
■ 引き戸への交換

開き戸は高齢者には扱いにくいので、
引き戸に変える工事は対象になります。
■ 洋式トイレへの変更

和式トイレは立ち座りが大変なので、
洋式への変更は認められています。
■ 上記工事に付随する小さな工事
- 壁の補強
- 手すり取り付けのための下地工事
- 段差解消のための簡易スロープ設置
こうした“付随工事”も対象です。
❌ 介護保険で“できない”住宅改修(対象外の工事)

ここが誤解されやすい部分です。
■ リフォーム目的の工事
- キッチンの交換
- 壁紙の張り替え
- 床の全面張り替え
- 浴室のリフォーム
こうした“家をきれいにする工事”は対象外です。
■ バリアフリーと関係ない工事
- 収納の増設
- 間取り変更
- 外壁塗装
- 屋根の修理
介護とは関係ない工事は認められません。
■ 大規模な工事
- 玄関の増築
- 浴室の全面改修
- スロープの大規模設置
こうした“建築工事レベル”は対象外です。
■ 本人が住んでいない家の工事
空き家や将来住む予定の家は対象外です。
補助額は「20万円まで」

割〜3割負担で利用でき、
最大20万円(1住宅につき)が上限です。
ただし、引っ越した場合は再度20万円が使えるなど、細かいルールがあります。
介護保険で住宅改修を使うための申請の流れ

住宅改修は、思い立ったらすぐ工事できるわけではありません。
「申請 → 審査 → 工事 → 完了報告」 という流れが必要です。
順番に見ていきます。
① まずは介護認定を受けていることが前提
住宅改修を使うには、
- 要支援1・2
- 要介護1〜5
のいずれかの認定が必要です。
認定がまだなら、まずは申請から始まります。
② ケアマネージャーに相談する
住宅改修は、ケアマネの存在が必須です。
ケアマネは
- 本人の状態
- 家のつくり
- どんな危険があるか
を確認し、必要な工事を一緒に考えてくれます。
ここで、
「なぜこの工事が必要なのか」
という理由書(重要)が作られます。
③ 業者に見積もりを依頼する
ケアマネと相談しながら、
- 手すりの位置
- 段差の高さ
- 工事の方法
などを決め、業者に見積もりを取ります。
※ 介護保険の住宅改修に慣れている業者を選ぶとスムーズです。
④ 市町村へ申請(事前申請)
ここがポイントです。
住宅改修は 工事前に申請が必要 です。
勝手に工事してしまうと、介護保険が使えません。
提出するものは
- 申請書
- ケアマネの理由書
- 見積書
- 工事前の写真
などです。
⑤ 市町村の審査
申請内容が妥当かどうか、市町村が確認します。
通常は1〜2週間ほどで結果が出ます。
⑥ 工事の実施
審査が通ったら、ようやく工事ができます。
手すりの取り付けや段差解消など、
1日で終わる工事がほとんどです。
⑦ 完了報告と支払い
工事後に
- 工事後の写真
- 領収書
- 完了報告書
を提出します。
支払い方法は自治体によって
- 償還払い(いったん全額払って後で戻る)
- 受領委任払い(最初から自己負担分だけ払う)
の2種類があります。


