年齢差が5歳以上あると発生する「加給年金」とは?

目次
加給年金

私(62歳)と妻(57歳)は5歳差です。
私が65歳になった時点で妻は60歳なので、
- 妻が65歳になるまで
- 毎年 約39万円(+配偶者加算)
が私の年金に上乗せされます。
これが加給年金です。
だた、加給年金には
年齢差以外の条件もありますので、次の段落で説明します。
加給年金の主な条件(年齢差以外)

年齢差、5歳以外の条件は以下のとおりです。
① 妻(配偶者)が 65歳未満 であること
私(夫)が65歳になった時点で、
妻(配偶者)が65歳未満であれば加給年金が発生します。
→ 妻(配偶者)が65歳になったら終了
→ その後は「振替加算」に切り替わる
② 妻(配偶者)が 厚生年金に加入していないこと
ここが最大のポイントです。
- 妻(配偶者)が 専業主婦(第3号) → 加給年金は満額支給
- 妻(配偶者)が 厚生年金に加入している(共働き) → 加給年金は支給されない
つまり、
共働きだと加給年金はほぼ消える。
専業主婦(夫)家庭だけが受け取れる制度。
③ 私(夫)が 厚生年金に20年以上加入 していること
正確には「老齢厚生年金の受給資格期間が20年以上」。
ほとんどの会社員は満たしますが、
転職が多い人や短期間勤務の人は注意。
④ 妻(配偶者)が 生計維持されていること
つまり、
- 同居している
- または仕送りなどで生活を支えている
という状態であること。
⑤ 妻(配偶者)の年収が 850万円未満(所得で言うと約655万円以下)
これはほとんどの人が該当しますが、
高収入の妻だと対象外になります。
加給年金は「自動支給ではない」

結論から言うと、
加給年金は“請求しないともらえない”年金です。
年金機構が勝手に調べてくれるわけではなく、
こちらから「条件を満たしています」と申請する必要があります。
65歳の支給後に気づいたらどうなる?
65歳を過ぎて気づいても、請求できます。
ただし、
遡ってもらえるのは 最大5年分まで(年金の時効が5年のため)
さらに振替加算という制度もある

振替加算は、
加給年金が終わったあとに、年下の配偶者の年金に引き継がれる“追加の年金”です。
生まれ年で変わりますが、
年額 約14万円前後 が目安です。
(若い世代ほど減額されているのが現状)
加給年金が前半戦、振替加算が後半戦のような関係です。
制度としては“専業主婦(夫)有利”に見える

加給年金や振替加算は、
- 年下の配偶者が専業主婦(夫)
- 厚生年金に加入していない
という前提で作られた制度なので、結果として
「専業主婦(夫)家庭が有利」
という構造になっています。
ただ、
専業主婦(夫)が“働かない”のではなく、働けない理由がある家庭も多いのが現実です。
子育てや介護、地域の事情、社会保険の壁など、
外からは見えない事情が積み重なって、
結果として専業という選択になっているケースもあります。
今後、政府が考えている方向性

加給年金・振替加算は 縮小・廃止の方向
- 制度が作られたのは「夫が正社員・妻が専業主婦」が前提の時代
- 今は共働きが主流
- 年齢差も逆転するケースが増えた
- 「専業主婦(夫)だけが有利なのは不公平」という声が強まっている
そのため、政府は
加給年金・振替加算を段階的に縮小し、将来的には廃止する方向
を明確にしています。
(振替加算はすでに生まれ年ごとに減額が進行中)
働きたくても働けない事情がある人も多い

政府の資料でも、
- 子育て
- 介護
- 地域の事情
- 社会保険の壁
- 非正規雇用の増加
など、働きたくても働けない事情がある人が多いことは認めています。
だからこそ、制度を急に変えるのではなく、
- 段階的に
- 世代ごとに
- 不利益が大きくならないように
という慎重な進め方になっています。


